【こたつの基礎知識】 歴史や魅力を知ろう

こたつの世界にも北欧デザインが人気を集めています。若者世代へアピールするため、実用性と省エネ性能加えてインテリアとして注目を集めており、伝統的な暖房器具の可能性が広がりつつあります。

こたつは、海外でもKOTATUで通用するほど知られており、来日外国人にとっては日本文化を体験できる暖房器具ともなっています。しかし住宅事情の変化によって日本での利用者も減少しており、お正月になるとこたつに入ってみかんを食べるといった光景は少なくなりました。ここでは新たに登場した北欧風を含む最新のこたつ事情を紹介していきましょう。

そもそもこたつとは?

こたつ 北欧

熱源付きの机に布団で覆って内部空間を温める暖房器具がこたつです。4方向から同時に4人が利用できますが、全員が大人であると腰程度までしか収まらない程度のサイズが主流になっています。ライフスタイルによって様々な使い方が可能なのも特徴でしょう。戦後からは電気式が主流になっており、弱・中・高の温度設定により好みの暖かさにできます。テーブルや机としても使えるためパソコンをしたり勉強をしたり、食事をできるといった様々なシーンで利用できる他、単身世帯の中には冬になるとこたつの中に敷布団を敷いて寝床にする方も珍しくありません。さらに背もたれや座椅子を併用すると快適性が増すため、自宅にいる間のほとんどをこたつで過ごすこともできます。専用の段差を設けた掘りごたつもありました。正座やあぐら足を伸ばして利用するのが一般的な中で、椅子に座るように過ごせるため、足や腰への負担を少なくできます。かつては大手メーカーがこぞって製品を投入していましたが、現在では中小メーカーが主流になりました。また熱源装置には素早く発熱するハロゲンヒーター、遠赤外線で体の芯から温められる石英管ヒーター、1年を通じてテーブルとして利用できる極 薄タイプのフラットカーボンヒーターの3種類が主流になっており、目的に合わせて利用できます。

こたつの歴史を知ろう

こたつ 北欧

こたつの歴史をさかのぼっていくと室町時代の囲炉裏にいきつきます。当時の暖房であった囲炉裏の上に櫓を組んで布団をかけるもので、現在のこたつの原型と言えるものです。江戸時代の明和2年(1765年)に描かれた鈴木春信により、こたつであやとりをする女性2人の姿を描いた絵巻があるため、この頃には普及していたものと考えられます。床を掘り下げることで囲炉裏の位置を下げ、椅子に座るように暖をとる掘りごたつの原型も登場しました。囲炉裏の熱源としては木炭や練炭、豆炭でしたが、江戸時代に入ると火鉢へと変化、戦後からは電気こたつが急速に普及します。またテーブルの天板下面に熱源を設置することで足を伸ばせるようになり、冬の季節の必需品であり一家団欒のシンボル的な存在となりました。普及により首辺りまでこたつに入ることを「こたつむり」と呼ぶこともあります。ファンヒーターの吹出口にこたつホースの口をセットして、暖かい空気をこたつ内に送り込むことで素早く温められるというメリットから東北を中心に利用されています。こたつは、日本独自の伝統的な暖房器具ですが、イランやアゼルバイジャン、アフガニスタンやタジキスタン、またオランダやドイ ツ北部でも熱源の周囲に組んだ櫓を布団で覆うこたつに似た暖房器具がみられます。

こたつの種類は一つじゃない!?

こたつ 北欧

同じこたつでも違ってくるのが、熱源でしょう。目的や用途、性能に特徴をもつ3種類の熱源が利用されています。ローテーブルとしても利用したい方に選ばれているのが、カーボーンヒーターです。他の熱源よりも薄いため空間を広くできるので足元が広々しており、こたつむりライフをする方に人気があります。石英ヒーターも人気、赤外線により体の芯まで暖かくしてくれる他、スイッチを入れてからあたたまるまでの短時間なので素早く暖を取れます。コンパクトモデルも登場しており、フラットカーボンヒーターと並ぶ人気を持つ熱源です。最も即熱性に優れているのがハロゲンヒーターでしょう。暖かさと足熱性において群を抜いており、とにかく素早く温まりたいときに嬉しい電源です。最新のものではより効率的に空間を温められるようファン内蔵したものも登場しており、省エネ性能もアップしました。こたつのサイズも変化が起きています。戦後主流であった正方形スタイルのこたつ机と天板テーブルに対して、丸形机と丸天板であったり、長方形スタイルも登場しており、ライフスタイルに合わせられます。さらに簡易的に掘りごたつを楽しめる掘りごたつユニットも登場しました。中央部 に凹部分が設けたユニットにこたつを設置して、椅子に座るようにして暖をとれるのが魅力です。

こたつの魅力ってどんなところ?

こたつ 北欧

利用者が減りつつあるこたつですが、様々な魅力を備えています。テーブルと暖房器具が一体化していることで足を温めながら勉強をしたり本を読んだり、パソコンを楽しむ、定番のみかんを食べたりコーヒーを飲んだりしてまったりしたり、食事をできる高い利便性ある暖房器具です。さらに単身世帯であれば、敷布団や座椅子や背もたれを利用して、1日の大半をこたつで過ごすことすら可能です。安全性の極めて高い熱源を用いているため、石油・灯油ストーブやヒーターよりも簡単に使えます。また熱源が掛け布団に覆われた空間のみなので、室内の乾燥しにくく湿度を気にする方にとって魅力と言えるでしょう。フラットスタイルな熱源が増えているので、季節に関係なくローテーブルとして利用できるのもポイントです。中でも特筆すべきなのが省エネ性能です。限定的な空間を暖めることからエアコンやホットカーペットなどと比較して光熱費を抑えられます。ヒーター出力500W、1KWhあたり27円と仮定した場合、こたつの温度設定を弱で1時間使用すると約1.9円、強だと約4.9円になります。そのため6畳用エアコンの約12.2円、ホットカーペットの約20.5円よりも光熱費を軽減できることでしょう 。こたつは、寒い季節に体を温めてくれる魅力的な暖房器具なのです。

人気の北欧こたつの魅力

こたつ 北欧

最近人気を集めているのが、北欧こたつです。長く愛されてきた日本のこたつに北欧風デザインを加えることでより一層、インテリアの魅力を秘めた暖房器具として注目を集めています。全体的に質実剛健さやモダンなスタイルが与えられており、こたつの持つ新しい魅力を感じさせてくれます。ガッチリとしたスタイルでありながら天板下にはしっかりとフラット型ヒーターを内蔵させており、まさにおしゃれなこたつを探しているなら北欧風こたつがおすすめです。デザインの自由度の高さも特徴的でしょう。楕円形やビーンズ型など、従来の発想にとらわれない個性的な暖房器具を探している方に選ばれています。掛け布団の生地や色や柄にも北欧風デザインをあしらっており、落ち着きのあるインテリアとして魅力もアップしました。デスクとチェアーをセットにしたパーソナルこたつも登場、背もたれがあるため、長時間座っても疲れにくくなっています。寒い季節でもデスク天板の下にある熱源と保温する掛け布団により足元を温められるので、単身世帯や在宅ワーカーにとっても魅力があります。天板や足の素材もウォールナットなどの本格的な木材を使用していたり、折りたたみ可能な足を利用 することで収納性をアップしたものも多く見つけられます。日本の伝統的な暖房器具でありながら、おしゃれな北欧風インテリアとしても楽しめるのが、北欧こたつの魅力です。

こたつのある家は少なくなりましたが、若者世代を中心に新たな魅力が再認識されつつあります。省エネですぐに暖をとれるだけでなく、食事や勉強や娯楽まで、様々な場面で活躍する暖房器具はこたつぐらいのものです。単身世帯からファミリー世帯まで利用できるこたつがあれば、寒い冬を温かく楽しく快適に過ごせます。